3DM Digital Manufacturing、ユーザーが「特定の波長を狙う」ことができるレーザー技術を発表

3D プリンタおよびレーザー光源の開発会社 3DM Digital Manufacturing は、選択的レーザー焼結 (SLS) 3D プリンティングレーザーを特定の材料や用途に合わせて調整できる新技術を発表しました。

CO2 ビームやファイバービームと比較して、3DM のカスタマイズ可能なレーザーは、機械的特性が強化された高解像度の部品を短いリードタイムで生産できると言われています。研究開発環境でテクノロジーを完全に最適化した同社は現在、独自の機械の発売を通じてそれを市場に投入する準備を進めています。これらがリリースされれば、カスタマイズが重要となるさまざまな 3D 印刷のユースケースが容易になることが期待されます。

「当社をユニークにしているのは、独自のレーザーを製造していることです」と 3DM Digital 製造業 CEO の Ido Eylon 氏は説明します。「私たちはCO2レーザーやファイバーレーザーなどを使用していません。実際には、ユーザーがプラスチック素材に最適な特定の波長を狙うことができる独自のレーザーを製造しています。それが私たちのテクノロジーの中核にある違いです。」

3DM における SLS レーザーの革新

3DM は名目上 2016 年にイスラエルで設立されましたが、そのテクノロジーのルーツは大株主であるダニエル・マジャー博士に遡ります。ワイツマン科学研究所を卒業した 3DM 創設者は、電気光学部品の研究開発に 30 年を費やし、同時にレーザー開発にも従事し、ほぼ 10 年を 3D プリンティングに費やしてきました。

マジャー氏の研究に基づいて、3DM は現在、既存の印刷技術よりも最大 10 倍の速度でポリマー粉末の溶融を可能にする、すぐに市場に投入できるレーザーを開発しました。さらに、この技術は熱可塑性プラスチックを現在の主要プリンターよりもはるかに優れた解像度の部品に変換できると言われており、産業用 3D プリンティングの新たな市場を開拓できる可能性があります。

特に 3DM は、2019 年に 5,700 億ドルと評価された世界のポリマー製造市場において、3D プリンティングがさらに大きなシェアを獲得できると考えています。「不十分な技術革新」により産業用3Dプリンティングは「この市場のほんの数パーセント」に限定されていたが、同社の技術の低コストと高い拡張性はこれを変える可能性があると同社は述べている。

3DM は当初、Terralab Ventures のインキュベータ会社としてスタートしましたが、Terralab Ventures は現在も株式の約 23% を所有していますが、その後スピンアウトされ、テルアビブ証券取引所に上場されました。この取引により、同社のIPOは2021年6月までに完了し、純利益は約1,300万ドルとなり、最初の商用製品の発売に向けて資金を投入した。

3DM のテクノロジーはどのように機能しますか?

では、3DM 独自のレーザーは、市販されている他のレーザーと正確にどのように違うのでしょうか? 光源自体は基本的に、米粒よりも小さい一連の小さな量子カスケードレーザー (QCL) によって形成されます。これらはそれぞれ数ワットのエネルギーを放出し、その波長は特定の材料や部品層の配置方法に合わせてカスタマイズできます。

特定の波長に固定されている従来の CO2 レーザーとは対照的に、3DM の技術により、より効率的な (そして潜在的にははるかに高速な) レーザー吸収が可能になると述べています。同社はまた、同社のレーザーが非常に高レベルの表面仕上げを備えた部品を生成すること、およびそのレーザーが意図した波長の柔軟性により、どのようにしてより幅広い材料プールと互換性を持たせることができるかを指摘しています。

基本的に、3DM は、冷却機構、ドライバー、レンズで構成されるアセンブリにレーザーを取り付けてレーザーモジュールを形成することで、レーザーを市場性のある製品に変えてきました。これらのいくつかを組み合わせてビームユニットを作成すると、3D プリンティング中に特定の粉末上に最初の多波長スポットを作成し、部品の形状を書き込むことができます。次に、4 つのビームユニットを組み合わせて 3DM プリントヘッドを作成します。

製品の最初の反復では、同社はゾーン間に隙間がないことを保証するステッチングアルゴリズムを使用して 4 つのビームヘッドを組み合わせました。そうは言っても、同社は、そのアプローチは拡張可能であり、より多くのビームを導入することで 3D 印刷速度が向上する可能性があると述べています。サードパーティによるテストでは、このテクノロジーにより、他の主要な SLS プリンタよりも優れた機械的特性を備えた部品が得られることさえありました。